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バスで巡るおいしい男女共同参画 その3(サボテンランド・カクトココ)

2012年02月14日

カクトロコ 「農家レストランとんきい」を後に向かったのがサボテンランド・カクトロコ。250種以上のサボテン、多肉植物がみられる植物園とショップを併設した施設です。サボテンといったらトゲトゲ、ラグビーボール状のいわゆるサボテンしか思いつかない素人の私にとっては、その多様さ、美しさに、まさに”多肉植物開眼”の日でした。単体で美しいだけでなく、植え込みをすることで絵画のような色取りのグラデーションや素材の響きあいが作られて見とれてしまいます。

 この日は社長の野末信子さんご本人から「カクト・ロコ誕生ストーリー」もうかがうことができました。

 

 社長の野末信子さん(60歳)は、牛と梨の生産農家に嫁いできて10年目、JAが買い取ってくれない規格外の梨を売ることを思いつきました。牛舎の脇に屋根と柱だけの直売所をつくり販売を始め、最初の年の売り上げこそ30万円でしたが毎年、倍々に増えていき、800万円に達しました。
  一方、畜産業はBSEが問題になる前から、肉骨粉を混ぜて飼料にする生産方式に疑問を持ち、牛舎を壊し、サボテンの生産に転じました。
 さらに西部地域農業改良普及センターの指導の下、野末さんは農業簿記の勉強を開始。折よく商社をリタイアした人に時給パートで来ていただけ、指導を仰げました。元商社マンのツテでJA以外の販売ルートを開拓。それまでは、いわばどんぶり勘定でつけていた卸売価格も、経費を積算して見積もりをはじき出すように変更しました。慣れない経営・販売の仕事は苦労の連続で「何度も金庫を捨てにいった」とのこと。その金庫を拾ってきて励ましてくれた周囲のおかげで、今も続けてこられたそうです。
 現在、商社を通じ、全国のイオン、ホームセンターに販路を拡大し、サボテン生産のブランドを確立しました。全国から、集めてきた多肉植物は、それぞれの栽培技術にも研究を重ね、販売の際には、お客様に対し丁寧な説明を心がけています。
 カクト・ココはオンリーワン企業として出発しただけでなく、地元の観光資源にもなっています。
 夫の協力を勝ち得るまでの苦労話、育児・介護との両立に悩みながらも、あきらめることなく自己を成長させてきた起業女性のストーリーは、大変感動的でした。

その1 その2 その3

(あざれあ交流会議ポータルサイト事業部 文責:豊田)

サボテンに見入る参加者サボテン植え込み

 

 

 

 

 

 

 

髙部あざれあ交流会議理事と野末信子社長                              あざれあ交流会議髙部理事と野末社長