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ウガンダ発のバッグブランド:仲本律枝さん(RICCI EVERYDAY 代表/静岡市)【地元のハンサムウーマン~地域力を高める女性たち~】

2017年12月11日

★人生の新ステージへ踏み出した熟年女性の星

仲本律枝さん

仲本律枝さん

色鮮やかで大胆な柄の布製バッグ。その布柄のユニークさにエネルギーが満ち溢れている。これらを製作しているのは東アフリカの小国ウガンダのシングルマザーたちだ。
仲本律枝さんは2年ほど前、娘の千津さんに「一緒にやってみない?」と誘われウガンダ製布バッグを販売する会社を立ち上げた。千津さんがウガンダの首都カンパラの工房でシングルマザーたちと共に作り上げた製品を律枝さんが日本へ輸入し販売している。
律枝さんはそれまで職業経験ゼロ。大学卒業後まもなく結婚し、40年近く専業主婦として4人の子どもの子育てや、その他家族のサポートに追われてきたところにいきなりバッグの営業を任された。母親の可能性に賭けた娘千津さんの洞察力もさることながら、その期待に応える母律枝さんのバイタリティもすごい。PTA活動などで培ったコミュニケーション力とマネージメント力で徐々に市場を開拓し、今では全国の百貨店などを回り自ら販売の店頭に立つ。

高い縫製技術を持つウガンダ女性、丁寧にバッグを仕上げていく

高い縫製技術を持つウガンダ女性、丁寧にバッグを仕上げていく

ウガンダでは最高峰の大学を卒業したとしても就業率が30%を下回り、高等教育を受けていてもなかなか就職先がないという現状がある。ましてや、何らかの理由で教育を受けることができなかった人たちはまともな職に就くことができず、貧困の連鎖を断ち切ることが難しい。特にシングルマザーたちにとって生きていくことは過酷だ。中には食べていくためにセックスワーカーにならざるを得ない人たちもいる。律枝さん・千津さん母娘は、そんなシングルマザーたちを雇い入れ、彼女たちが作るバッグを売ることで、彼女たちが経済的に自立でき、貧困から抜けだせるよう背中を押す。
会社を立ち上げて2年余り。今年7月、律枝さんは初めてウガンダの地を踏んだ。60歳にして新たな地平に足を踏み入れたことに、「まさか人生にこんなことが待っているとは!びっくり!」(笑)“人生、何か新しいことを始めるとき遅すぎるということはない”ということを体現している律枝さん。札幌に単身赴任中の夫や、高齢者施設に入所する義母など家族の理解があるからこそ、日々めいっぱい働けるのだと感謝している。そして、ウガンダのシングルマザーたちにも“人生、何が起こるかわからない”希望のある未来を託す。