さらに、人対人のつながりを重視する３つのたこ満方式で、社内間の一体感増も図っています。まず、売上実績や自分の目標に対する振り返りなどを書く「経営計画書」は、月1回全従業員が書くと、社長が必ず一言書いてくれます。「デイリーニュース」は、毎日のお客の声や要望を、これも全従業員が書くと社長から一言。「ありがとうカード」は、従業員同士で〝○○してくれてありがとう〟とお礼相手にカードを渡します。お互いが認め合う・助け合うという意識が芽生え、カードをたくさん書いた部署は確実にレベルアップにつながっているといいます。

「カードを、女性はどんどん書いて渡していますが、男性は、最初恥ずかしがって渡せないんです。靴箱にそっと入れたりしてね」と田中さんは当時を思い出して話してくれますが、今や、シャイだった男性も積極的に行動できるようになり、職場の成績もアップしているとか。一生懸命に書く従業員にも、その文に目を通して一言書く社長の平松季哲さんの心意気にも、うたれます。

このようなたこ満方式が、従業員の人対人のつながりを濃密にし、接客にも地域とのかかわりにも好影響を与えています。
田中さんも人とのつながりが大好き。「ここで働くことで人とのかかわりが一番大切だと学びました。絶えず笑顔で人と接し、プラス発想するように心がけています。お客様とどっぷりふれあいたいですね」

田中さんの笑顔とおいしい菓子と心憎いほどの接客で、体も心もとろけてきます。あ～、しあわせ。

「エポカ」94号（2012.2）より

(取材：あざれあ交流会議理事　大国田鶴子）