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静岡県臨床心理士会【男女共同参画宣言事業所・団体取組み紹介】

2014年10月02日

静岡県臨床心理士会は、静岡県在住あるいは静岡県内に職場のある臨床心理士で構成されています。現在の会員は、約470名。会員相互の交流と情報交換・研修などを行い、会員の様々な専門分野・業務においての活動が、県民への心理的支援につながるように活動している団体です。
静岡県臨床心理士会研修
先日、臨床心理士を始め、広く子どもの臨床に関わる仕事をしている方を対象に「DVにさらされた母子への援助プログラムワークショップ」【主催NPO法人Shizuoka RRP研究会/共催:静岡県臨床心理士会】が実施されました。

講師の先生からは、プログラム内容についての丁寧な解説と様々な児童に関わる現場で、プログラム内容を応用することで出来る関わりについてや「DV に関する心理教育が女性自身や子どもを支援する際に有効であること」「加害者の全人格を否定するのではなく、人格と行動を分けて考え、DVという行動は否 定する。そのことはまた被害者自身やその子どもの回復にもつながっていく」などの話がありました。

静岡県臨床心理士会2
DV(=配偶者間の暴力)で思い悩む女性は、既婚女性の実に3人に1人といわれています
(2012 年内閣府調査)。日本では、DV被害者の安全を確保するところまでは比較的スムーズに行われ、支援システムも整ってきていますが、その後の被害者や母子を 支える包括的支援(具体的には母子のケアやプログラム、加害者向けのプログラム、父親としての加害者のプログラムなど)が非常に少ないとのこと。法的な整 備も諸外国に比べて遅れており、公的な支援はなく、NPO法人などの民間の手に委ねられています。DV被害者とその子どもへの視点をもって初めて、その必 要性が明らかになります。(2004年の児童福祉法の改正により、DVの目撃もまた児童虐待であると定義されています。)
DV被害への包括的な援助をしていくためには、ケースワーカー、臨床心理士、女性や子どもの相談窓口、警察、児童相談所、学校等の教育機関、シェルターな どの援助者といった、あらゆる立場の人間や様々な機関がつながりながら取り組んでいくことが必要です。専門家の皆さんも日々、研修や情報共有により、資質向上に努めています。
→静岡県臨床心理士会のホームページへ
→宣言内容(静岡県ホームページへ)