ちょっとe情報

地元のハンサムウーマン①~地域力を高める女性たち~

2015年08月07日

「世界農業遺産」認定を誇りに 山城みや子さん(掛川市東山)
山城みや子さん山城さんが結婚したとき、夫はサラリーマンだった。義父母に教わって茶農家の仕事を覚えたが、「茶」文字の粟ヶ岳とその麓に広がる景色が大好きだった。
2人の子どもを育てながらPTAや婦人部の活動に携わり、地区の会合や共同作業にも参加した。「地区のことは男性の役割」という家庭が多いなかで、道刈りなども草刈り機を担いでがんばった。

東山地区は江戸時代から茶が栽培されていたが、明治になって山全体を茶畑に開墾した。川がないので田んぼは出来ず、主要産業はお茶。秋から冬にかけてススキやササなどを刈り、干して茶畑に敷いて乾燥防止や肥料にしてきた。地元では当たり前のやり方だったが、「茶草場農法」として一昨年の5月『世界農業遺産』に認定された。以来視察や観光客が急増して、山城さんらは急に忙しくなった。
お茶のPRと接待のために9年前開いた「いっぷく処」は「土日営業、お茶時期は休み」としていたが「毎日営業」に変更。ガイドの会も立ち上げて研修や案内に駆け回った。昨年は女性たちが写した写真を持ち寄り、15作品を選んでポスターを作った。

山城みや子さん2世界農業遺産に推薦された理由は、良いお茶を作るために毎年草を刈ってきた農家の努力と、そのために里山の生態系が育まれ豊かな生物多様性が保全されてきたという両面が高く評価された。山城さんはそのことを誇りにしながら、若い人にも希望が持てる『茶文字の里』にしたいと語ってくれた。
取材:藤井康子(エポカ特派員)