司書日記 2021/11/30  【図書室】


2021年11月30日(月)

 
三島由紀夫が自衛隊市ヶ谷駐屯地で自決したのは、昭和45年11月25日です。享年45歳。
昨年は没後50年だったこともあり、ドキュメンタリー映画「三島由紀夫VS東大全共闘」が
公開され、話題になりました。

学生の頃から興味はありましたが、歌舞伎や演劇から三島由紀夫を知ったこともあり、
小説にはなかなか手を出せませんでした。
三島由紀夫が執筆した歌舞伎は6本あるといいます。そのほとんどが、女性が主役です。
男性主役の演目が多い歌舞伎の中で、女性主役の演目に、当時人気女形の六代目中村歌右衛門や
若いころの現坂東玉三郎をあてがきして書いたといいます。

 
実は、あざれあ図書室にも三島由紀夫関連の本はありますが、著書は一冊だけです。

『反貞女大学』
「空想学」「嫉妬学」「社交学」と第十六講まであり、三島由紀夫が講義していく内容です。
「反貞女」とあるように、貞女観に縛られている女性に対して、夫の呪縛から解放されて、
自由に生きてもいいのではないかという内容です。三島由紀夫が50年以上前から提言していたということに
驚きはありますが、夫の呪縛が解かれないまま50年以上経っていることも事実なので残念です。

反貞女大学
(『反貞女大学』三島由紀夫著 新潮社 1966年刊)

先日お亡くなりになった、瀬戸内寂聴とも交流があったとのこと。三島由紀夫が存命なら96歳。
年下だったのかと不思議な感じがします。