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株式会社サボテンパークアンドリゾート【男女共同参画宣言事業所・団体の取り組み紹介】

2011年11月22日

株式会社サボテンパークアンドリゾート

女性飼育係の高崎さん

観光業はきめ細やかなもてなし

 

伊東の大室山の中腹にある伊豆シャボテン公園。シャボテンの公園と思いきや、実はインコ、カンガルー、孔雀などにも触れたり餌を与えたりでき、女性トレーナーのアニマルショーも見られる。近くに住んでいながら、私の知らなかった一面である。
近年の躍進の原動力は何だろう。この疑問を胸に浅利取締役を訪ねた。浅利さんはお会いするなり「3.11時のショックから立ち直り、入園者は以前のレベルに戻った」という。他の伊豆の観光地が低迷する中での集客の秘密は何だろう。男女共同参画社会づくり宣言事業所として取り組む姿勢はその1つではないか。そう思って「宣言以降に変わったことは何か」と尋ねた。

 

浅利取締役

答えは「トップダウンの指示では、若い人や女性のやる気を損ねる。そこで職場の意見を吸い上げる仕組みづくりを考えた」という。仕組みづくりの一環に「男女共同参画社会づくり宣言」がある。ゆくゆくは、役職者の男女比率を同じくらいにしたいという。
ただ悩みもあるとのこと。観光事業の職場であり、土・日が出勤となる。この当たり前のことを上から命令されるのでは職場が暗くなる。各職場が、一人ひとりの意見を聴きながらきめ細やかな対応をすることが大事だ。調整は今まで以上に時間がかかるが、この時間が貴重だという。そして「この姿勢が今日の伊豆シャボテン公園の活力を生んでいる」と話してくれた。
グループをまとめる株式会社サボテンパークアンドリゾートは、伊東市内で、ぐらんぱる公園やダイビングセンターなど一大リゾート施設を経営している。今回の東日本大震災では、ダイビングの部門から、沈没した漁船等の引き上げに携わったという。観光業が思わしくない状況は久しいが、この会社のきめ細やかな経営や社会と向き合う姿勢は、今後の観光業の1つのあり方かもしれない。

 

「エポカ」92号(2011.10)より
(取材:あざれあ交流会議理事 石井充精)

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→宣言内容(静岡県ホームページへ)