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特集:男性の育休①柳川貴央さん(ヤマハ株式会社)【この人に聞く!】

2016年04月07日

柳川さん

柳川貴央さん

●育休取得は自然なこと
3年前、娘が生まれた直後から1か月間、育児休業を取得しました。育休を取った理由は、産後、妻ひとりで初めての子育てをするのは大変だろうと思ったためです。
職場内の先輩男性社員も育休を取得しており、前例があったこともあって、育休を取ることに対し、私自身も職場も抵抗感はありませんでした。また、夫婦間で、私が育休を取るのは自然なこと、という認識もありました。1か月間という期間にしたのは、1か月あれば妻の産後の体調も回復し、夫婦ともに赤ちゃんの世話に慣れ、子育てが軌道に乗ると思ったからです。実際に育休を取ってみて、1か月という期間は過不足なくちょうどよかったと感じています。
育休中、一番大変だったのが、子どもの寝かしつけです。赤ちゃんは昼夜問わず泣きだすため、妻と交代で睡眠を取りながら、寝かしつけを行いました。もし、これを一人でやるとしたら、肉体的にも精神的にも相当な負担がかかるだろうと思います。育休を通して、妻と協力し合い、一緒に初めての子育てを経験できたことが、後の育児に良い影響を与えていると感じています。

柳川貴央さん

柳川貴央さん

●育休前・中・後の計画、同僚への配慮と感謝が大事
仕事では当時、プロジェクトリーダーとして、ソフトウェアの開発を行う業務に携わっていましたが、一時的に業務から離れることに、特に不安はありませんで した。出産・育休の時期は数カ月前からわかるものなので、事前に計画を立て、備えることができたからです。育休前に必要な業務を前倒しで行い、育休期間中 の引き継ぎをしておくことで、業務が滞らない様にすることができます。また、育休中も、週一で当時の上司からメールで簡単な状況連絡があり、育休明けもス ムーズに業務に復帰することができました。
プロジェクトリーダーをやっていて感じるのは、自分がいなくてもメンバーが能動的に動く状態がチームとして理想的だということです。仕事に責任とプライド を持つことは必要ですが、自分がいなければこのプロジェクトはダメになるという考え方は、プロジェクトリーダーとして好ましくないと考えています。自分が いなくても業務が進むように、しっかりと計画を立てたり、普段からメンバーとコミュニケーションを取って考え方を共有したりすることが重要だと考えます。
もちろん、サポートしてもらうメンバーへの配慮と感謝を忘れないことが、なにより大事だと思います。

柳川貴央さん

職場の様子

●子育てしないのはもったいない!
1か月間であっても仕事から離れ、子育てに集中することで、ひとりの人間として学ぶべきことがたくさんありました。ミルクやおむつ替えなど、育児のやり方 を覚えることで、今後の子育てをスムーズに行えるようになるのはもちろんですが、父親とは何か、子育てとは何かについて考える良い機会にもなったと思いま す。女性が妊娠・出産という身体的な変化を通して、母親になる自覚を持ちやすいのに対し、男性の場合は、父親になる自覚を持つ「きっかけ」を得にくいよう に思います。育休は、父親として意識を切りかえたり、仕事と家庭のバランスを見直したりする良い機会になるのではないでしょうか。
また、子育ては、仕事に対しても良いフィードバックがあると感じています。子供と過ごす時間を確保するために、業務を効率的に行うようになったり、子供を持つ親の目線に立った、より安全で優しい製品の開発ができるようになったりします。
私は、先輩社員の前例があり、育休取得に抵抗のない恵まれた環境にいたと感じています。そのため、良い前例が少しでも多くできることで、男性の育休がもっと浸透していくのではないかと思います。

柳川さんの直属の上司で、柳川さんと共に、電子ピアノの開発とマーケティングに携わっている阿部さんにもお話を伺いました!
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