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国際ジェンダー学会2014 公開シンポジウム ~身近な男女共同参画の推進のために~ 開催

2014年09月29日

国際ジェンダー学会 公開シンポジウム
「地域自治とジェンダー~身近な男女共同参画の推進のために~」

平成26年9月6日(土)、静岡大学で「国際ジェンダー学会2014年大会 公開シンポジウム」が、「地域自治とジェンダー~身近な男女共同参画の推進のために~」と題して開催された。今回の学会の趣旨は
1.静岡県において様々な立場から地域における男女共同参画の推進を担ってきた人々の経験に学ぶ。
2.地域における男女共同参画の推進の成果と課題を理解し、今後の取組の方向性を模索する。
というものである。

【第1部】 静岡県立大学男女共同参画センター長・犬塚協太さんの講演
「静岡県の男女共同参画と地方自治活動・地域行政」

犬塚先生講演静岡県は、行政・自治の方針決定への女性の参画率が低く、どうしても高齢男性が中心となっている傾向が強い。このことから、活動が弱体化していることが分かってくる。
沼津市では、市街地・農村地区・漁村地区の3カ所で、各2年間の期限付きで男女共同参画推進モデル地区事業を行った。種をまき育てていくのは大変だが、自治体が支援をして地域活動を担う人を育てていくことは、大いに期待できる。
個人・学校・企業・NPOなどとの男女共同参画を通した連携や協働が、地域の自治活動の活性化につながっていく。

 

 

 

 

【第2部 】 4人のパネルディスカッション
・鈴木紀美代さん(静岡県くらし・環境部県民生活局男女共同参画課課長)

参画課課長鈴木さん「静岡県の男女共同参画に関する県民意識調査」からみると、少しずつではあるが男女共同参画の意識が生まれつつあるが、依然として男女の平等感の開き・地域における女性の役職者比率の低さがうかがえる。
市町との連携を深めながらワーク・ライフ・バランスの推進や地域防災、研修交流などさまざまな活動支援を強化していきたい。

 

 

 

 

 

・曽根順子さん(元掛川市構江区自治会役員)
曽根順子さん構江(かまえ)地区の担い手不足ということで、女性初の自治会役員となった。9年経った今、住民の意識は大きく変わり、女性も地域の担い手として意見を言えるようになり、地域防災などの諸活動への意識も高まった。さらに、家庭内でも「家族が家事を手伝うのは当たり前」の意識が浸透。
「性別・世代にとらわれず、障害者や高齢者にも配慮した誰でも平等な住みよい安全な町づくり」を、次世代に引き継いでいけるような体制を整えたい。

 

 

 

 


・大川須津子さん(NPO
法人男女共同参画センター交流会議代表理事)
大川須津子さん「あざれあ」は、昨年20周年を迎えた。男女共同参画推進をモットーにした活動はさまざまな分野におよんでいる。
女性の政治参画、女性の地域防災リーダーの養成、地域づくり、お届け劇の宅配便、あざれあメッセなどの事業を実施。また、自慢は、図書室には、女性に関する本が約40,000冊そろっていること。ポータルサイト「あざれあナビ」は情報満載で好評。

 

 

 

 

 

 

・中野美恵子さん(静岡大学男女共同参画室長)

中野美恵子さん女性研究者の支援や人材育成支援を行うことで「誰もが学び、働きやすい大学」をめざす。休暇の取得支援や学童保育の運営や介護支援も行うことで、女性のライフ・ワーク・バランスを整えている。また、セミナー・シンポジウムなどで、男性役職者のライフ・ワーク・バランスの意識改革を促進。学内の男女共同参画を進めることが、地域社会の一員として、地域の男女共 同参画にも影響 を及ぼすと確信している。
女性が求めるものは時代によって変わっていく。必要なときに必要なものが与えられるよう、今後も取り組んでいきたい。

 

 

 

 


《全員のメッセージ》

質疑応答犬塚さん=女性だけではなく、男性の意識やワーク・ライフ・バランスの改革が必要である。
鈴木さん=男性意識が変わることが重要。女性は、地域・会社で役職の声がかかったら、一歩踏み出してトライしてほしい。
曽根さん=女性も積極的に情報を手に入れてほしい。
大川さん=各種講座など研修に参加することで、意識改革をしてほしい。女性の防災への参加は最重要事項である。
中野さん=男女共同参画は即効性はないが、コツコツと地道に活動を続けていくことが大切である。