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【事業実施報告】報道から見えてくる男女共同参画~杉尾秀哉氏講演会

2014年08月04日

杉尾秀哉氏講演会2 7月21日(月・祝) 静岡県男女共同参画センターあざれあにて、男女共同参画の日記念事業が実施されました。
今年は、TBS報道局編集センター解説・専門記者室長の杉尾秀哉さんに、報道の第一線にいる杉尾さんだからこそ見える、これからの男女共同参画社会について、お話しいただきました。
当日は、192人の来場者がありました。

それでは、講演の様子を一部ご紹介します♪

 

杉尾秀哉氏講演会1 【講演内容より】 

女性の管理職の割合の高い企業は、生産性が高い・利益率が高いという研究発表がある
この原因は、以下のようなことが考えられるそうです。

「まず、日本の男性は、だらだら長時間働きすぎ。女性が、時短のような勤務形態で時間内に仕事をしてパッと帰る姿を間近で見るのは、男性にとっても 刺激になる。男性自身も、もっと短時間で仕事を切り上げていくようにしなければならないと思うようにしていくことが大切。
次に、特にメーカ―で言えること だが、これまで男性中心に商品開発をしてきた。そこに女性が全然違った視点を持ち込むと、これまでなかったような商品開発ができるようになっている。こう いったカタチでヒット商品が生まれている例は、いろいろなメディアでも紹介されている。
女性・男性を問わず、特に女性が結婚・出産後も、その人に意思との 能力があれば、バリバリ働き続けられる環境にある会社には、優秀な人材が集まりやすい。」

杉尾秀哉氏講演会4 政策決定過程に、もっと女性が加わらなければならない。 

「例えば、日本の議会とアメリカの議会は、全く風景が違う。ワシントンに赴任していた時に、取材でアメリカの議会へ行って驚いた。先ず、行くといろんな人がいます。

高齢者の方もいるし、若い女性や学生もいる。そして、議場の後ろの方で、子どもが遊んでいる。どこの子どもかと思ったら、前にいる女性議員の子ども だった。子どもを連れて、議事に参加している。こうやって、いろんな人が、住民代表として議会に出てこないと、どうしても男性中心になってしまうもの。
ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)のためには、政治・企業の後押しが必要。男女の意識改革も必要。経営者の理解、上司の理解も必要です!!」

現役世代が、課題を解決し、住みやすい国を次の世代にバトンタッチする

「次の世代のためにも、男女共同参画社会というのは必要不可欠。統計として、自殺者の7割は男性です。閉塞感を感じている男性が多い。こういう社会を変えていかなければならない。」
杉尾さん自身、ワシントンにいた頃に、子供と関わるようになって、別の世界を見ることができるようになったそうです。

「仕事だけでは得られない、家庭の中で得られることが自分のためになるということを、身を持って知った。これまでの日本には、男性には会社の物語、 女性には家族の物語があった。それでは、閉塞感を感じてしまう人が出てくる。女性を育児で孤立させてはいけない。男性も地域などに関わった方が、自分自身 の幸福につながる。地域社会・ボランティアの物語の中で英気を養い、いろいろな物語の中で生きる。その中に、家族や地域がある。その絆を強くすることが、 他人の為でもあり、自分自身の為でもある。」

杉尾秀哉氏講演会3 【アンケート結果より~感想】
・テレビの話から始まって一気に惹きつけられた。分かりやすい内容だった。(多数)
・女性のみならず男性の意識改革をすべきという点に共感できた。(20代女性、50代男性ほか多数)
・フランスとドイツの違いついての話が分かりやすかった。お金や保育所の問題ではなく、女性が働き続け、女性と男性が一緒に家事・育児をしていくことが大事だということが分かった。(30代女性)
・世界の先進事情に詳しく、第一線で活躍されている方が「男女共同参画が日本を救う」ときっぱりと言って下さることに力が湧いた。(40代女性)
・女性の社会進出の重要性は認識していたが、実態がなかなか伴っていない事が課題だと感じた。(40代男性)
・女性の活用ではなく、「活躍を」というところは非常に共感できた。男性の理解がなくては女性の活躍はないということをもっと広く社会に浸透させるべきと感じた。(40代女性)
・男女共同参画に関する歴史や数値、外国との比較など、分かりやすい内容だった。(50代女性)
・話し方が上手で、内容もよく理解できた。体験談も含めた講義、自らの家族も入れての体験話に興味が湧いた。(60代女性)
・男女共同参画は「生き方の問題」ということが分かった。(70代男性)

【アンケート結果より~本日の講演会を通して、「男女共同参画」を理解できたか?】
・男女共同参画社会を推し進めることで、ひいては日本社会の閉塞感を拭う事ができると理解でき意義が分かった。(20代女性)
・女性の社会進出だけが問題ではなく、社会構造の問題だと分かった。(30代女性)
・男性型の社会モデルは、女性だけでなく男性にも負担がかかることがたくさんあることがよく理解できた。(40代女性)
・女性が活躍するためには、本人だけではなく周囲の理解が必要である。ワーク・ライフ・バランスも言葉だけでなく、強く意識し実践することが大切だと思った。(40代男性)
・女性を子育てで孤立させないこと。少子高齢社会の解決は男女共同参画の意識付けだと思う。(60代女性)
・男性は仕事にけじめをつけることが大切。男女共に共同参画は生き方であることを再認識することが必要である。(70代男性)
・これまで具体的によく分からなかったが、少しフレームが見えてきたような気がした。個々でできることが見えてくるともっと積極的になれると思う。(年齢不明女性)